オケラネット

シーガルネットが誕生したのは１９８０年、今より３０年前、北海道のヨットマンとしては初めての自作ヨット、シーガル号で野村輝之氏が南太平洋の航海に出発した時に 連絡係として発足したのです。　私がシーガルネットにチェックインしたのは１９８６年、２３年前　ヨット‘エオリヤ’（２６フィート）大阪の立尾氏よりアメリカへ行くのでサポートの依頼があった時からです。 小型のヨットなので低気圧に弱く難儀しているときに、ヨット‘フライング’でセーリング中の安藤氏より朝７時のＭＭネットに出れば航海に必要な情報を得られることを教えられたのが始まりです。

今サポートしているヨットが帰港したら、１５周年を終えたら、２０周年記念までは頑張り ましょうと絶えず九津見コントローラーと励ましあっているうちに気がついたら、３０年の月日がたっていました。 今日まで続けられたのは日本全国、そして外国からの親切なサポートの方々の お陰と信じております。心から感謝申し上げます。　特にハワイのＭＲ．ＹＵＴＡＫＡ　ＡＲＡＫＡＫＩ、 通称ハンドルネーム、タカさんにはいつも助けられ頭が下がります。

３０年間でチェックインしたヨットの数は１００艇以上になりますが、志しなかばにして船体を放棄したショックなニュースで涙した思い出の数々、その反面１９８９年に素晴らしいことがありました。 ７月２３日午前８時５分　Ｎ２５゜　Ｅ１４９゜　父島付近でオーストラリアから帰国途中の札幌の花泉氏のヨット‘ロデオ’と、サンフランシスコから日本に向けの堀江謙一氏の乗った船の、 全長僅か２．８ｍの世界一小さなヨット・マーメイド号とが、日本中のＭＭネットの皆様の見守るなか見事にドッキングして心から祝福を受けたことでした。その時花泉氏は、お寿司を作り差し入れたそうです。

このようにネットのメンバーが最もエキサイティングするのは、広い海原でヨット同士がアイボールする瞬間です。又９１年６月にはＮ４５゜　Ｅ１７８゜で外国のヨット‘インカンテーション’と ヨット‘たらちね’、９２年６月にはＮ４０゜　Ｅ１６７゜で札幌の大瀧氏のヨット‘りさ’と、ヨット‘はやかぜ’がドッキングに成功して、お互いベストクルージングを誓い合ったそうです。

アマチュア無線家としてコントローラーをするにあたって一番大事にしていることは、ヨットは時にシングルハンドの場合、孤独に悩まされそれが大敵ということなので、それを少しでも解消し、 またトラブルがおきたとき少しでもお役に立てられればをモットーとしてマイクを握っております。言いかえればヨットマンへの電波は耳から飲む精神安定剤になれればと思っております。 これからも陸の灯台ではなく、電波の灯台守として声の出る限り、体力のある限り３５年、４０年を目指し、その時々のサポーター及び関係各位のご協力を得て頑張っていく所存です。

最後に、３０年記念を迎えられたのは、札幌のアマチュア無線家グループ、メンバーオブ・スネターズのご協力があったからこそ成し得たことです。メンバーオブ・スネターズは日本赤十字社への協力、 その他札幌市民マラソン等、アマチュア無線業務にボランティア活動として３０年以上に亘り、森政明会長（ＪＨ８ＢＩＢ）を中心に活躍しているグループです。シーガルネットのスタートもこのメンバーです。

本日ご出席いただきました皆様方のご健康とご健勝をお祈りするとともにメンバーオブ・スネターズの今後のご活躍をお祈りし、ペンを置きます。　ありがとうございました。

シーガルネット３０年、おめでとうございます。

「継続は力なり」　この一言に尽きます。コンディションの悪い日も多く、ご苦労が多いと思いますが、今後も変わり無くネットが続くよう祈っています。 それには「健康」が一番大切です。